お口の悩みを治したいと他の歯科医院へ相談に行き、症例によって通常の矯正治療では治せないと断られた患者さんが、当院にはよくご来院されます。
目次
当院がカウンセリングの際に気を付けていること
セットバックのカウンセリングで患者さんとお話をする際に、患者さんがどの部分を気にされているか医院側がしっかり把握して知ることが重要です。
カウンセリングの際にはお悩みの内容を、必ずドクターに細かくお話しください。口ゴボが気になる方、出っ歯を1mm2mm下げたい方、お顔が左右非対称であることにお悩みの方もおられるでしょう。患者さんのお悩みがハッキリしていると、実際の手術でどの程度微調整出来るかを具体的にお答えすることが出来ます。
セットバック手術は矯正治療よりも治療期間は早く終わります。また、入院せずに行えるというメリットはありますが、セットバック手術はリスク(全身麻酔・施術後の腫れや痛み)やデメリット(抜歯やその部分の骨の切除)を伴います。顎変形症の保険適用を除き、施術料金も矯正歯科での治療に比べてかなり高いと言えます。
そのためカウンセリングの段階で、医師と長い時間をかけてセットバック手術の全体の施術内容などを確認していくことが大切です。
カウンセリングで患者さんのお悩みを伺うことで顎骨の異常に気付けることもある
あごの骨のゆがみが気になる方の場合は、顎関節症が疑われます。顎関節症の疑いがある場合は、手術を行う前にまず顎関節の状態が健康なのか時間をかけて精査し、患者さんに合わせた計画を立てます。
極端な話ですが、下顎頭という部分が壊れている症状により、お顔が非対称ということがあります。実際に勤務医時代にそのような患者さんに出くわしたことがあるのですが、その方はリウマチにより顎関節が壊れている状態でした。そのことに気づけたのは、お顔が非対称であるという、患者さんの審美的な悩みからです。このように、お悩みから顎骨の健康の異常を発見出来る場合もあります。
骨格が原因の受け口や出っ歯の場合も、セットバック手術で改善可能
骨格が上下逆で、下の歯が上の歯を覆っている状態の方が、どうしても治療をしたいと来院されたことがあります。その方の口腔内を検査でしっかり確認し、セットバック手術を行いました。抜歯によるスペースを使用し、前歯を奥に動かすことに加え、下の歯の角度を少し変え、噛み合わせを確認して後退させると、大変きれいなお口元に改善します。
骨格が原因の受け口の方の場合、下唇が上唇に比べ前に突出しています。矯正のみで歯を治療しても、口元が理想のバランスからは遠く、セットバック手術で骨ごと後ろに下げると、下唇が上唇より下がり、口元のバランスが整えられます。
重度の出っ歯の方でもセットバック手術で対応が可能です。また、セットバック手術にオトガイ形成術を併用すると、長く感じたアゴが短くなります。アゴ先のボリュームを落として小顔にすることが可能です。
セットバック手術後には見た目の綺麗さだけでなくお口の健康にも興味がわく
様々な治療を受けていくうちに、歯に対する興味が沸く患者さんが大変多いです。一般的に当院の特徴上、見た目の形ばかりを気にされ、歯の健康(歯並びや噛み合わせ)を疎かにする方もおられますが、歯科医師として、手術で最終的に綺麗に改善していただくために、歯も健康的になっていただかないといけないと考えます。食事をする際には噛む幸せを感じていただきたいです。
歯のケアグッズとして、デンタルフロスの存在を知らない方もおられます。歯は頬側、舌側、前、後ろと四方向あります。ブラッシングで綺麗になるのは頬側と舌側だけで、前、後ろのお掃除をされないという方は多いです。フロスの存在を知ったら、前、後ろも綺麗にしなくてはという意識になります。
セットバック手術のカウンセリングに関するQ&A
カウンセリングでは、患者さんのお悩みや希望について細かく聞き取ることが重要です。微調整や個別の要望にも対応可能かどうかを確認し、手術内容を患者さんに理解してもらうことが大切です。
セットバック手術は、骨格が上下逆で、下の歯が上の歯を覆っている状態や受け口の方、重度の出っ歯の方など、口腔内の骨格による顎の不正が原因で見た目や噛み合わせに問題がある方に対して行われます。
セットバック手術には全身麻酔や施術後の腫れや痛みなどのリスクがあります。また、抜歯や骨の一部の切除が必要なデメリットもあります。顎変形症の保険適用を除き、矯正治療に比べて施術料金も高くなる場合があります。
まとめ
セットバック手術(輪郭整形)をお考えの患者さんにとってお悩みのバックグラウンドは多種多様です。お一人お一人の患者様に合わせた治療やご相談を受けていきたいと思います。