人間の咬む力は基本的に体重に比例すると言われています。力いっぱい歯を食いしばった時に、体重50kgの方でしたらおおよそ50kg噛む力があり、ジムなどで体を鍛えている方はご自身の体重以上に噛める力がある方もおられます。
ブラキシズムとは
歯のこすり合わせ(グラインディング)、歯の噛みしめ(クレンチング)、歯を鳴らす事(タッピング)などを総称してブラキシズムと呼びます。ブラキシズムは睡眠時ばかりではなく、起きている時(覚醒時)、緊張している時に歯を食いしばる方は意外と多いです。歯の咬合面が摩耗し、平たくなるデメリットがあります。
では、順番にご紹介していきます。
●グラインディング
一般的に歯ぎしりと言われる癖で、強い力で上下の歯を擦って合わせる症状です。
●クレンチング
音はあまりしないですが強い力で上下の歯を食いしばる症状です。
●タッピング
タップという英語の通りカチカチと上下の歯をぶつけて鳴らす症状です。
ブラキシズムではない人は食事以外では上下の歯を合わせない
ちなみに、ブラキシズムではない通常の方の場合、上下の歯はおおよそ2~3mm程の隙間が空いています。食べ物を噛む、すりつぶす時のみ歯を合わせます。食事の時間位しか上顎、下顎ともに歯を合わせることはありません。それに比べてブラキシズムの方は一日中、顎や歯を噛み合わせた状態のため、負担がかかります。
ブラキシズム放置するとどうなる?
ブラキシズムを放置すると、詰め物が頻繁に取れてしまったり(脱落)、知覚過敏やむし歯(う蝕)、顎関節症などになりやすくなります。メリットはありませんので、早めに違和感を覚えたら歯科医院へご相談ください。
歯冠の一番外側に露出するものがエナメル質で、人体の組織の中で最も硬いと言われています。それが、ブラキシズムにより、エナメル質がすり減り、中にある象牙質が露出してしまうという状態になります。
象牙質が口腔内に出てしまうと、食べ物や飲み物がしみてしまい、歯が割れやすくなります。歯の表面をガードするエナメル質がないため、細菌感染を起こし、歯の神経(歯髄)が死んでしまうと可能性があります。
特に、重度の方で放置し続けていると、グラインディングやクレンチングは、歯の根元が削れる楔状欠損、骨の防御反応でコブが出来る口蓋骨隆起や下顎骨隆起、舌を下の歯に押し付けて痕が残る舌圧痕、頬の内側の上下の歯が合わさる位置に筋が出来る頬粘膜圧痕など、お口の中に様々な問題を引き起こします。
ブラキシズムに関するQ&A
ブラキシズムは、歯のこすり合わせ(グラインディング)、歯の噛みしめ(クレンチング)、歯を鳴らすこと(タッピング)などを総称した歯の癖や症状のことです。睡眠中だけでなく、覚醒時や緊張している時にも見られることがあります。この癖により、歯の咬合面が摩耗して平たくなるデメリットがあります。
ブラキシズムを放置すると、以下のような問題が起こる可能性があります。
・詰め物が頻繁に取れる(脱落)。
・知覚過敏やむし歯(う蝕)の発生。
・顎関節症などの症状の悪化。
ブラキシズムによって歯のエナメル質がすり減ると、中にある象牙質が露出してしまいます。象牙質の露出により、食べ物や飲み物がしみやすくなり、歯が割れやすくなります。また、エナメル質の欠如により細菌感染を引き起こす可能性もあります。
まとめ
歯の噛み合わせの力が強い方ならば、70kg以上の力が歯や歯槽骨、歯肉に継続的に力がかかると言われています。習慣や無意識下で継続して、歯や歯周組織(歯茎・歯を支えている歯槽骨)に力をかけ続ければ、さまざまな影響を及ぼします。歯のお悩みを打ち明けてみると、歯科医師やスタッフが治療計画を提案できるかもしれません。