矯正歯科

マウスピース矯正に慣れるまでの期間はどのくらい?

マウスピース矯正に慣れるまでの期間はどのくらい?

マウスピース矯正のアライナーは、透明で目立たず、取り外しが可能なため、多くの患者さんに選ばれている矯正方法です。しかし、初めて装着する際には違和感を覚えることがあり、その慣れには個人差があります。慣れるまでに3日~1週間程度かかる方もおられますが、通常であれば2~3日程度で慣れる方が多いです。

マウスピース装着時の主な違和感

インビザライン

1. 締め付け感

マウスピースは理想的な歯並びに近づけるため、現在の歯並びよりも僅かに歯が動いた状態に作られています。そのため、初めて装着した時や新しいマウスピースに交換した時に、締め付けられるような感覚を覚えることがあります。

2. 噛み合わせの違和感

マウスピースの厚みは約0.5mmですが、このわずかな厚みでも、慣れるまでは噛み合わせが高く感じたり、違和感を覚えることがあります。

3. 発音のしづらさ

マウスピースで歯全体を覆うため、最初は話しづらさを感じることがあります。特に「サ行」「タ行」「ラ行」「ナ行」の発音に影響が出ることが多いです。

違和感の主な原因

インビザライン

歯の移動による影響

マウスピースは歯が少しずつ動くように設計されており、その力が歯に加わることで違和感や軽い痛みを感じることがあります。

歯茎への接触

マウスピースの縁が歯茎に当たることで、違和感や痛みを引き起こすことがあります。

異物感

口の中に異物がある状態に慣れていないため、最初は違和感を覚えることがあります。

正しく装着されず浮いている

マウスピースが正しく装着されていない場合、違和感や痛みを感じることがあります。

違和感を軽減するための対処法

マウスピース矯正において最初に感じる違和感は、正しい装着方法や日常の工夫でかなり軽減できます。以下に具体的な対処法とその詳細を解説します。

1. 正しい装着方法を確認する

  1. まず、マウスピースを正確に歯に装着することが大切です。
  2. 装着する際は、両手を使って左右均等に押し込み、すべての歯にしっかりフィットしているか確認しましょう。
  3. もし装着時にずれや浮きがある場合、適切に装着できていない可能性があります。その際は、無理に押し込まず、歯科医師に相談してください。

2. チューイーを活用する

  • チューイーとは、マウスピースを歯に密着させるためのシリコン製の道具です。
  • マウスピースを装着した後、チューイーを軽く噛むことで、装着がより正確になり、違和感の軽減に役立ちます。
  • 毎日2~3回、1回につき数分間使用することで、装着感が良くなるだけでなく、治療の効果も高まります。

3. 発音練習を行う

  • マウスピースを装着すると、特に「サ行」「ラ行」「タ行」などの発音がしづらく感じることがあります。
  • この違和感は口内の筋肉が新しい状態に慣れていないために起こるものです。

対処法としては以下を試してみてください。

  1. ゆっくりと話す練習をする。
  2. 鏡の前で発音の練習を繰り返す。
  3. マウスピースをつけた状態で軽い音読をする。

これらを実践することで、舌や唇が適応し、発音に影響が出にくくなります。

4. 慣れるまで装着時間を守る

  • 違和感を早く克服するためには、1日の装着時間を守ることが大切です。
  • 推奨される装着時間(1日22時間以上)を守り、マウスピースが口内にある状態に早く慣れるようにしましょう。
  • 装着時間が短いと、マウスピースに慣れるまでの期間が長引くことがあります。

5. 柔らかい食事を選ぶ

  • 矯正開始直後や新しいマウスピースに交換した直後は、歯に軽い痛みを感じることがあります。
  • この期間中は、柔らかい食べ物を選ぶことで歯への負担を減らし、痛みや違和感を軽減することができます。
    例:スープ、煮込み料理、ヨーグルト、豆腐など

6. リラックスを心がける

  • 初めての矯正治療に緊張やストレスを感じる方も多いですが、ストレスが違和感を強める原因になることもあります。

リラックスするための方法として以下を試してください。

  1. 深呼吸や瞑想などのリラクゼーションを取り入れる。
  2. 趣味に集中して気を紛らわせる。
  3. 十分な睡眠をとり、体の回復力を高める。

7. 痛みや違和感が続く場合は歯科医師に相談する

  • マウスピースの縁が歯茎に当たって痛む場合や、痛みが強い場合は、マウスピースの調整が必要かもしれません。
  • 歯科医師が専用の器具でマウスピースを調整することで、違和感が軽減することがあります。
  • また、痛み止めを服用する必要がある場合は、医師の指示を仰ぎましょう。

マウスピース矯正に伴う違和感は、正しい装着方法や日常生活での工夫によって大幅に軽減できます。特にチューイーの活用や装着時間を守ることは、早く慣れるための重要なポイントです。万が一違和感や痛みが長引いたり強くなった場合は、無理せず歯科医師に相談してください。

まとめ

矯正治療には痛みがつきものですが、マウスピース矯正は歯を僅かずつ動かしていくため、比較的痛みの少ない治療方法です。マウスピース矯正に伴う違和感は、通常数日から1週間程度で慣れることが多いですが、個人差があり、早い方では3日程度で慣れてしまいます。

違和感が長引いたり、痛みが強い場合は、無理をせずに歯科医師に相談することが大切です。治療期間は数か月から2年程度かかる場合が多いため、適切な対処法を行いながら、快適に矯正治療を進めていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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カトレア歯科・美容クリニック

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