入れ歯が安定しない原因を解決せずに入れ歯安定剤を使用し続けると、あごの骨が痩せてしまい、入れ歯ではない他の歯が抜けてしまい、歯肉の状態も悪くなります。
入れ歯安定剤を長く使ってはいけません
市販の入れ歯安定剤の使用期間の目安については、短期間のみ使用するならば構いません。例えば数日間の旅行に出ている間だけ使用するのは大丈夫です。長い期間にわたって入れ歯安定剤を使用するのはおすすめしません。
入れ歯安定剤を長く使用してはいけない理由
入れ歯が緩い原因を放置したまま、長期間入れ歯安定剤を使用すると、入れ歯が不安定な原因(あごの骨の吸収、かみ合わせなど)を解決しないままなので、さらにあごの骨は痩せます。入れ歯以外に健康な他の歯を維持している方なら、あごの骨がやせると他の歯がぐらついたり知覚過敏のしみや痛みが出るなど、総合的に噛む力が衰えます。
入れ歯安定剤はどんな時に使う?
入れ歯安定剤は、入れ歯を固定するために使用されます。特に以下のような状況では入れ歯安定剤が効果的です。但し入れ歯安定剤は長期間使わないようにしましょう。
1. 入れ歯がずれやすい
入れ歯がお口にフィットしていない場合や、年数が経ってお口に合わなくなって入れ歯がずれやすい場合に、入れ歯安定剤で入れ歯がずれたり動いたりしないようにする。
2. 噛みやすくする
リンゴやコーンなど、特定の噛みにくい食品をしっかり咀嚼出来るようにするために、噛みやすくするためにも入れ歯安定剤は有用です。
3. 新しい入れ歯に馴染んでいない
新しい入れ歯に慣れるまでの間は、ものを噛みにくい時期があります。その場合に入れ歯安定剤で入れ歯が動かないようにすると、噛みやすくなる場合があります。
4.入れ歯による不安定な発音
入れ歯によって発音が不明瞭になる場合に、入れ歯安定剤で緩和できる場合があります。
通院時まで入れ歯のガタつき我慢するの?
次の通院までまだ時間があり、どうしても緩さや痛みが気になり、市販の入れ歯安定剤を使用したいという方もおられます。入れ歯安定剤には、おおよそ二つのタイプがあり、粉状のタイプとペースト状のタイプです。
入れ歯がガタガタ緩くて困っている方は粉状の入れ歯安定剤を、噛んだ時の痛みがとれなくて困っている方はペースト状の入れ歯安定剤を使用ください。
入れ歯安定剤の長期使用に関するQ&A
入れ歯安定剤は入れ歯が緩くなったときや、入れ歯による痛みがあるときに使用します。これは、入れ歯の安定性を高めて不快感を軽減するための一時的な手段です。
いいえ、入れ歯安定剤の長期使用は推奨されません。その理由は、入れ歯の不安定な原因を解決せず、あごの骨の健康を損ねる可能性があるからです。
入れ歯安定剤を長期間使用すると、あごの骨が痩せ、健康な他の歯が抜ける可能性が高まります。また、噛む力も全体的に減少する可能性があります。
まとめ
以上の点から、入れ歯安定剤に頼り、通院せずに長い期間使用するのは、他の歯のためにもよくありません。風邪の際に出される頓服薬のように、痛い時だけ短期で使用するようにしてください。