夏になると炭酸水の消費がぐんと増えますが、炭酸水は歯に良くないといわれるのは本当でしょうか?その理由と歯を守る方法をご説明します。
「炭酸水で歯が溶ける」は本当?
歯は酸性度が強ければ溶ける場合があり、歯が溶け始めるのはpH5.5以下といわれています。通常は唾液が酸性度を中和してくれるため、唾液がよく出ていれば溶けた部分はすぐに修復され、それほど歯にダメージを与えることはありません。
「コーラなどの炭酸飲料が歯を溶かす」といわれるのは、コーラがpH2.2で、酸性の飲み物だからです。炭酸自体の酸性度は水よりもやや強い程度ですので、歯を溶かすほどではありません。
つまり、炭酸水自体が歯を溶かすのではなく、炭酸水に含まれているフレーバーが酸性度の強いものであれば、その炭酸水は酸性度の高い飲み物となり、歯を溶かす危険があるということです。
歯を溶かさない炭酸飲料の飲み方
歯を守りながら炭酸飲料を楽しむには以下のようにしましょう。
- 口の中にためずに飲む
- ストローを使って飲む
- 頻繁に飲まないようにする
- 寝る直前には飲まない
- 炭酸飲料の後に水を飲む
- 水代わりに飲まないようにする
pHって何ですか?
pHは水素イオンのことで、ピーエイチと呼びます。ペーハーとも呼ばれます。pHは酸性、中性、アルカリ性を14の目盛りで表示します。pH7が中性を示します。
酸性は酸っぱいものと思っておられるかもしれませんが、梅干しは何とアルカリ性です。果物や野菜の多くはアルカリ性です。ファーストフードや加工食品の殆どは酸性です。牛乳や水は中性で、お茶も同じくらいです。ビールやコーヒーはpH5でやや酸性を示します。
オレンジジュースやワインなどはpH4ですので、酸性の飲み物です。食酢、レモンジュースはpH3程度、コーラはpH2.2を表すそうです。ちなみに、胃液はpH2ですので、コーラはかなり酸性度が高い飲み物といえます。
エナメル質が溶けるpHは?
歯のエナメル質が溶け出すpHのことをエナメル質臨界pHといい、pH5といわれています。pH5よりも酸性に傾いたものを飲食する時は気をつけなければなりません。
フレーバー入りの飲料には注意しよう
飲み物にフレーバーを入れることで、酸性度が高い飲み物に変わることがあります。特に酸性度を高くする気をつけなければならないフレーバーは、レモンやオレンジなどの柑橘系のフレーバーで、これらが追加されると酸性度が高くなるのにはクエン酸の量が関係しています。糖分が多く含まれている飲み物も酸性度が高くなります。
炭酸水で歯を溶かさないための飲み方に関するQ&A
歯は酸性度が強ければ溶ける場合がありますが、通常は唾液が酸性度を中和してくれます。そのため、炭酸を飲んでも唾液が出ていれば歯が溶けるのは一時的なもので、溶けた部分はすぐに修復されます。
歯のエナメル質が溶け出すpHはエナメル質臨界pHといい、pH5です。pH5以下の酸性飲食に注意が必要です。
歯を守りながら炭酸飲料を楽しむためには、口の中にためずに飲む、ストローを使う、頻繁には摂らない、寝る前には避ける、炭酸飲料の後に水を飲む、水代わりには摂らないなどの方法が効果的です。
まとめ
炭酸水そのものは歯を溶かしませんが、柑橘類のフレーバーや甘味料が入っていると酸性度の高い飲み物になりますので、飲み方に注意が必要です。なるべく歯にダメージを与えないような飲み方をすれば歯を溶かすリスクを低くすることが出来ます。