白い歯には清潔な好印象をもたれる反面、黄色い歯は不健康な印象をもつ方が多いのではないでしょうか。黄ばんでしまう原因と解決方法についてご説明します。
日本人の歯が黄色っぽい理由
日本人の歯が黄色っぽく見える原因はいくつかありますが、主な要因として以下の点があげられます。
1. 歯の自然な色合い
歯の色は個人差があり、エナメル質の厚さや透明度、その下にある象牙質の色によって左右されます。象牙質は自然に黄色がかっており、エナメル質が薄い人は黄色味が強く見える傾向があります。
2. 食生活の影響
日本の伝統的な食文化には、醤油や味噌などの色素が強い調味料や食材が多く含まれています。これらの食品を頻繁に摂取することで、歯の表面に着色汚れが付着しやすくなり、黄色く見える原因となります。
3. 歯磨き習慣
毎日の歯磨きを適切に行わないと、歯垢や歯石が蓄積しやすくなります。歯垢は着色しやすく、歯石になるとさらに色がつきやすくなります。これにより、黄色く見えるようになることがあります。
4. 加齢による変化
年齢とともにエナメル質は徐々に摩耗し、薄くなっていきます。その結果、シニアの方は下の黄色い象牙質が透けて見えやすくなり、全体的に黄色く見えるようになります。
5. 喫煙
喫煙は着色の大きな原因の一つです。タバコのニコチンとタールは強力な着色剤であり、歯の表面に黄色や茶色の斑点を作ります。
これらの要因のいくつかは個人の生活習慣や遺伝的な特徴に関連しており、完全に避けることは難しいかもしれません。しかし、定期的な健診、適切な口腔衛生の維持、着色しやすい食品や飲料の摂取を控える、クリーニングをするなどの対策により、黄ばみを減らすことは可能です。
歯が黄色い原因とは?
歯が黄色っぽくなる主な原因を6つご説明します。
1. 加齢によるもの
歯の表面を保護しているエナメル質の下には、黄色い象牙質という組織があります。年齢を重ねると、エナメル質は薄くなり、下の象牙質の薄い褐色が透けて見えるようになります。
そのため、年齢を重ねると自然に歯が少し黄ばんで見えるようになります。
2. 食べ物や飲み物によるもの
コーヒーや紅茶、ワインやカレーのような色の濃い食材は、歯に着色しやすい成分を含んでいます。着色成分は最初は薄く歯の表面の汚れとして付着しますが、そのまま時間が経つと歯の中に浸透し、簡単に取り除けなくなります。
3. 喫煙によるもの
タバコに含まれるヤニも歯を黄色くする要因となります。ヤニは粘着性の物質で、他の飲食物の色素が表面にくっつくため、より着色しやすくなります。
4.レジンの詰め物をした歯の変色
小さな虫歯の治療に使うレジン(樹脂)は、吸水性があり、変色が起こりやすい材料です。特に詰め物との境目に変色が起こるとセルフケア落とすことが出来ません。
クリーニングで色が落ちる場合もありますが、落ちない場合は新しく詰め直す必要があります。
5. 神経を取った歯の変色
虫歯治療で神経を取ると、歯が変色する場合があります。変色した場合は元に戻せませんので、白い材料で被せ物を被せて治療する必要があります。
6. 子ども時代に抗生物質を摂取した影響による変色
7歳までの子供がテトラサイクリンという抗生物質を摂取した場合に、特有の変色が現れます。テトラサイクリンによる変色はホワイトニングを行っても白くなりにくいといわれます。
黄ばみを起こさないための方法
歯の黄ばみを防ぐためには、日々の生活習慣の見直しや口腔ケアが重要です。以下に具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 正しい歯磨きを心がける
- 歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯茎を傷つけないように軽い力で優しく磨きます。
- 歯磨き粉はフッ素含有のものを選ぶと、虫歯予防が出来るとともに白さを保ちます。
- 1日2回、朝晩の歯磨きを習慣化し、毎回2〜3分間丁寧に磨くことが大切です。
- デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、隙間の汚れもきれいに取り除きます。
2. 食生活の見直し
- 色素の強い食べ物や飲み物(コーヒー、紅茶、ワイン、カレーなど)の摂取を控えるか、摂取後は水で口をすすぐようにします。
- 糖分の多い食品や飲料を避け、虫歯や歯の汚れの原因を減らします。
- ビタミンCやカルシウムなどの栄養素を豊富に含む食品を積極的に摂取します。
3. 禁煙
- タバコのヤニは歯を黄ばませる大きな原因となります。禁煙することで、ヤニによる黄ばみを防ぎ、口腔内環境の改善にもつながります。
4. 定期的な健診
- 定期的に健診を受け、プロフェッショナルなクリーニングを受けることで、着色汚れや歯石を取り除きます。
- 早期の虫歯や歯周病などの発見と対処が可能になります。
5. ホワイトニング製品の使用
- 自宅で使用できるホワイトニング歯磨き粉を使用することで、白さをある程度保つことができますが、研磨剤が入っている場合は使い過ぎるとエナメル質が薄くなり知覚過敏に繋がることがあるため注意が必要です。
- ホワイトニング用の薬剤を使用する際には、歯科医院でホームホワイトニング用のセットを購入すると、何かトラブルが起こった時に歯科衛生士に相談することが出来ます。
- ホワイトニング剤の濃度が濃すぎるとエナメル質を傷つけ、知覚過敏を起こすことがあるので、注意が必要です。
6. 水分摂取を心がける
- 十分な水分を摂取することで唾液の分泌を促し、唾液による自然な口腔内の洗浄作用を高めます。
これらの方法を実践することで、黄ばみを防ぎ、健康的な白い歯を保つことができます。
黄ばんだ歯を白くする方法
黄ばんだ歯はホワイトニングで白くすることが可能です。ホワイトニングには歯科医院で全て行うオフィスホワイトニングと、歯科医院で専用のマウスピースと薬剤を購入し、自宅で行うホームホワイトニングがあります。
※当院ではオフィスホワイトニングは行っておりません。
※神経を抜いた歯には、ウォーキングブリーチという方法で対応することができますが当院では行っておりません。
※テトラサイクリンの影響で変色した場合、ホワイトニングを行っても効果には限界があります。
まとめ
歯の黄ばみの原因は加齢、食べ物や飲み物、喫煙、歯科治療、また特定の薬物の摂取などがあります。
黄ばみの予防策としては、日常の歯磨きを丁寧に行うこと、タバコを控えること、そして定期健診を受けることが大切です。黄
ばみが気になる場合はホワイトニングが有効ですが、方法や適用できるケースには制限があるので、詳細は医院に相談することをおすすめします。白く健康な歯を保つためには、日頃のケアが何よりも大切です。