歯ブラシの選び方がわからないという声を聞いたことがあります。日常的な口腔ケアに欠かせないアイテムですが、基本構造を理解すればどのような歯ブラシが合っているかを見極めることができます。違いや、おすすめする方など詳しくご紹介いたします。
歯ブラシのパーツ
歯ブラシには、ブラシヘッドとハンドルのパーツがあります。歯の表面に付着したプラーク(歯垢)を除去して虫歯を予防し、歯茎をマッサージすることで血行を良くして歯肉炎にならないようにお口の健康を保ちます。
1.ヘッド
ヘッドの形状、ヘッドの大きさ、ヘッドの毛の種類、ヘッドの毛の柔らかさが重要です。
ヘッドの形状
歯ブラシのヘッドの形としては、ラウンド毛(毛先が丸い)、テーパー毛(先が細い)、水平毛の三種類です。ラウンド毛や水平毛は、毛先が歯垢に当たりやすい為、虫歯の予防に適しています。テーパー毛は歯周ポケットなどに届きやすい形であるため、歯周病予防に適しています。
ヘッドの大きさ
小さいブラシヘッドの場合、奥歯や狭い箇所など難しい部分を細かく操作できることから、デリケートな歯茎を傷つけにくいです。ただし、全部の歯を磨き終わるまでに時間を要します。一方、大きいブラシヘッドのメリットとしては、一度に広い範囲を清掃できるため、時間を短縮できます。ただし、大きな動きしかできないため、細部に汚れが付着していても除去できないことがあります。
ヘッドの毛の種類
歯ブラシの毛の種類は三種類あります。
●ナイロン毛
最も市場で多く流通しているのがこのナイロン毛のブラシです。透明なナイロンの毛は丈夫で切れにくい特徴があります。
●ポリブチレンテレフタレート毛(PBT)
歯科専売品として販売されている歯ブラシはこの毛の種類です。PBT毛のブラシは柔らかさやコシがナイロン毛に比べてあり、吸水性は低く速乾性があります。そのため、ブラシ内に雑菌が繁殖しにくくなり、耐久性に差が出ます。
●動物の毛
豚や馬の毛、狸の毛などの種類があります。PBT毛やナイロン毛と比べて、柔らかい毛質で歯へ当たった感触は心地よいですが、歯垢や汚れはあまり落とせません。また、動物の毛なので吸水性が高くなかなか乾燥しないため雑菌が繁殖しやすいということになります。
ヘッドの毛の柔らかさ
ヘッドの毛の硬さは、歯や歯茎の健康状態に応じて選ぶ必要があります。
- 柔らかめ
- 普通
- 硬め
●柔らかめ
歯茎が敏感な人や、歯周病の治療中の人に最適です。
●普通
一般的な硬さで扱いやすく、幅広い年齢の方に適しています。
●硬め
硬いブラシはプラーク除去に効果的で、力の弱い子供やお年寄りに適していますが、力がかかりすぎると歯茎を傷つける可能性があるため注意が必要です。
2.ハンドル
ハンドルの太さや形状も快適なブラッシングにおいて重要です。握りやすいハンドルは無理のない力でブラッシングでき、歯茎へのダメージを防ぎます。
ハンドルの太さ
ハンドルが細いタイプと太いタイプがあります。細い場合は鉛筆を持つような持ち方で磨く力をコントロールできますが、力がうまく入らないと歯垢が落としにくい場合があります。太い場合はしっかり握れる持ち方ができ、力が弱い子供やお年寄りには適していますが、力が入りすぎてエナメル質をや歯茎を傷つける場合があります。
ハンドルの形状
ストレートハンドルと曲がったハンドルの歯ブラシがあります。
●ストレートハンドル
ストレートハンドルはオーソドックスで多くの人に使いやすいですが、力が軽減されず伝わるため、ブラッシングの力が強い方は、痛めるリスクがあります。
●曲がったハンドル
曲がったハンドルは奥歯などの難しい部分に効果的で、ブラッシングの力が軽減されて傷つけにくいですが、ブラッシングの力が弱い方には汚れを落としにくいでしょう。
電動歯ブラシとの違い
電動のブラシは効率的に汚れを落とせます。電動歯ブラシについては、下記をご参照ください。
交換目安やお手入れ方法
歯ブラシは毎日使用するため、不衛生な状態で使用すると、口腔内で菌の繁殖を助長してしまいます。
交換目安
汚れを除去する道具で、水にぬれるため菌が繁殖しやすい環境です。通常の使用では1ヶ月に1度が目安です。毛先が広がってきたら清掃効果が落ちるので、ブラシを交換しましょう。
使用後の清掃と保管方法
ブラシの使用後は十分に水ですすぎ、風通しの良い場所で乾燥させましょう。歯ブラシは必ず一人一本で使用して家族で共有しないようにし、衛生的な状態を保ってください。
山形になっているタフトブラシも同様に汚れがついたままにならないようにしっかりとすすいでください。また、歯間ブラシやデンタルフロスは、毎回新しいものを使用するようにしましょう。
まとめ
歯ブラシの適切な選び方は、健康な歯を守るための第一歩です。自分に合ったものを見つけ、日々のブラッシングで口腔ケアを続けることが、長期的な健康維持に欠かせません。