セットバック整形

セットバック手術後のダウンタイムはどの程度?

セットバック手術後のダウンタイムはどの程度?

セットバック手術は、主に顎の異常な前突や後退を修正するための整形手術で、顎骨にアプローチすることによって上顎、下顎、または両方の位置を修正します。

この手術により、機能的な改善と美容的なメリットを得られますが、手術後にはいくつかのダウンタイムが伴います。セットバック手術後のダウンタイムについてご説明します。

セットバック手術のダウンタイムについて

セットバック手術のダウンタイムには以下のような要素があります。

1. 腫れとむくみ

  • 術後はお口の周り、頬、首などに腫れやむくみが起こります。
  • 手術直後から腫れが始まり、特に最初の2?3日で最高潮に達します。
  • 腫れは徐々に落ち着いていきますが、完全に引くまでには数週間から数ヶ月かかることがあります。
  • 顔の腫れは見た目に大きく影響し、初期の段階では日常生活に復帰するのが難しい場合があります。マスクで隠れる程度の腫れの場合もあります。

2. 痛み

  • 手術後数日は顔部に痛みを伴うことが一般的です。痛みは時間が経つにつれて減少します。
  • 痛みには個人差があります。
  • 鎮痛剤を使用して痛みを管理することが多いです。

3. 食事と栄養

  • 初期のダウンタイム中は、食事が困難になることがあります。特に固形物を避け、流動食や柔らかい食事にする必要があります。
  • 栄養状態を保つためにはバランスの取れた食事を摂取しましょう。

4. 発音と会話の困難

  • 顎の位置が変わると、当初は発音が不明瞭になることがあります。これは時間と共に改善されますが、一時的にコミュニケーションが難しくなる可能性があります。

5. 感覚の変化

  • 手術によって顔の神経が影響を受けることがあり、一時的または永続的な感覚鈍化が起こることがあります。特に下顎手術後は下唇や顎の感覚が変わることがあります。

セットバック手術直後の状態

セットバック手術直後、患者さんは顔の腫れや痛みを感じることが一般的です。この初期段階での腫れはかなり目立ち、手術翌日から翌々日にかけてピークに達します。

顔の腫れは外見に大きな影響を与えるため、この期間はご自宅で安静にお過ごしいただくことが推奨されます。また、腫れが引く過程でお顔の輪郭が少しずつ明らかになり、手術の効果が見え始めます。

腫れの軽減と回復の経過

手術後の腫れは、大体1?2週間で約70%が軽減します。残りの30%については、その後3ヶ月から6ヶ月かけて徐々に引いていきます。この期間、患者さんは日常生活に戻りつつも、まだ完全な回復には至らないため、外見の変化が気になる場合があります。

個人差の影響

セットバック手術後のダウンタイムには、個人差が大きく影響します。腫れや痛みの程度は人によって異なり、同じ手術を受けたとしても回復のスピードや経過には個人差が存在します。一部の患者さんは1ヶ月後には腫れがほとんど感じられない一方で、他の患者さんは3ヶ月以上腫れが持続する場合もあります。

ダウンタイム中のケア

  • 冷却・・手術後の腫れを抑えるために、冷却パックを使うことが推奨されます。
  • 頭部の位置・・腫れを最小限に抑えるために、頭を心臓より高く保つことが有効です。
  • 適切な休息・・十分な休息をとることで、身体の回復を助けます。
  • 定期的なフォローアップ・・手術後の経過を見るために、定期的に医師の診察を受けることが重要です。

セットバック手術後のダウンタイムは、患者さんの体質や手術の範囲によって異なりますが、一般的には手術後1?2ヶ月間は社会生活に影響が出ることがあります。

ダウンタイム中に注意すべきポイント

セットバック手術のダウンタイム中に注意すべき点はいくつかあります。これらは患者さんの快適性と安全性を確保し、手術後の回復をスムーズにするために重要です。

1. 腫れと痛みの管理

  • 冷却パックの使用・・手術後の最初の48時間は、定期的に冷却パックを使って腫れを抑えることが推奨されます。しかし、直接肌に氷を当てるのは避け、布で包んで使用してください。
  • 適切な鎮痛剤の使用・・医師の指示に従い、処方された鎮痛剤を適切に使用して痛みを管理します。

2. 栄養と水分の摂取

  • 適切な食事・・手術直後は、噛んだり飲み込んだりする際の口の動きに制限があるため、流動食などの柔らかい食事から始めることが一般的です。栄養価が高くバランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 十分な水分摂取・・脱水を避け、回復を促進するために十分な水分を摂ることが重要です。

3. 休息と活動のバランス

  • 休息の確保・・回復のためには適切な休息が必要です。特に手術後最初の数日間は、積極的に休息を取って身体を休めることが重要です。
  • 徐々に活動を再開する・・医師の指示に従い、徐々に日常活動へと戻りましょう。無理をして疲れると免疫が落ちて腫れが増したり、回復が遅れたりすることがあります。

4. 口腔衛生の維持

  • 口腔ケア・・手術後は口の中の感覚が鈍くなっている可能性があり、通常のブラッシングが困難な場合があります。担当医や歯科衛生士の指示に従って適切な口腔ケアを行いましょう。

5. 診察の予約

  • 定期的な診察・・手術後の回復を適切にモニタリングするため、担当医のすすめるスケジュールでの診察の予約を守り、定期的に医師の診察を受けてください。

6. 感覚の変化への対応

  • 感覚が鈍くなる場合がある・・手術によって影響を受ける神経は、時に感覚鈍化を引き起こすことがあります。この変化に対して慎重に対応し、改善が見られない場合は医師に相談してください。

7. 心理的なサポート

  • 精神的なサポート・・手術後の外見の変化に伴い、心理的なストレスや不安を感じることがあります。家族や友人、必要に応じて心理カウンセラーの支援を受けることも検討しましょう。

【動画】術後の「腫れ・むくみ」等ダウンタイムはどの程度?

まとめ

セットバック手術後のダウンタイムは、患者さんの体調や手術の範囲により異なりますが、通常は手術後1?2ヶ月間は日常生活に影響が出ることがあります。この期間は、腫れや痛み、食事の制限、発音の変化など様々な症状に対処する必要があります。

ダウンタイムには個人差も大きいため、体調の変化をよく観察し、適切なケアを行うことが重要です。また、医師の指示に従い、定期的な診察を受けることで、より安全でスムーズな回復が期待できます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 カトレア歯科・美容クリニック
院長 辻 和志

2008年 国立九州大学歯学部卒。医学博士。日本口腔外科学会認定医。ICLS講習修了。

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カトレア歯科・美容クリニック

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