「毎日しっかり歯磨きしているのに、虫歯や歯周病になってしまった…」「なんとなく歯間ブラシやフロスを使った方がいいと聞くけど、どうやって使えばいいの？」そんなふうに感じたことはありませんか？
実は、歯ブラシだけでは取りきれない汚れがたくさんあるのです。特に、歯と歯の間には歯垢が溜まりやすく、放置すると虫歯や歯周病の原因になってしまいます。でも、「フロスを使いなさい」と言われても、いざやってみるとうまく通らない、使い方がわからない、面倒くさい…と感じる方も多いのではないでしょうか？
ご安心くださいね。フロスは、ちょっとしたコツさえつかめば誰でも簡単に使えるようになります。この記事では、糸ようじやデンタルフロスの正しい使い方と、習慣化するためのコツをご説明します。今日から、より効果的なお口のセルフケアを始めてみましょう！
目次
糸ようじとデンタルフロスの違いとは？
「フロス」と一口に言っても、糸ようじとデンタルフロスの2種類があります。それぞれの違いをご存じでしょうか？
- 糸ようじ → 持ち手がついており、片手でも簡単に使えるフロス。初心者や奥歯に使いやすい。
- デンタルフロス → 細い糸状のフロスを指に巻きつけて使うタイプ。細かい動きがしやすく、歯間のすみずみまで清掃できる。
それぞれメリット・デメリットがあり、どちらが優れているということはありません。ご自身の使いやすさに合わせて選ぶことが大切です。
なぜフロスを使った方がいいの？歯磨きだけではダメ？
「歯磨きしているのに、フロスも必要なの？」と思われる方も多いかもしれません。でも、実は歯ブラシだけでは歯間の汚れを完全に取り除くことは難しいのです。
- 歯ブラシだけで落とせる歯垢は約60%ほど
- 残りの40%は歯間に残る
つまり、フロスを使わないと歯垢が溜まり、虫歯や歯周病の原因となってしまうのです。特に、奥歯の歯間は汚れが残りやすいため、しっかりとケアする必要があります。
糸ようじ・デンタルフロスの正しい使い方
糸ようじの使い方
- 持ち手をしっかり持ち、フロス部分を歯間に挿入する
- 無理に押し込まず、ゆっくりと前後に動かす
- 歯の側面をなぞるようにして、歯垢を絡め取る
- すべての歯間を掃除し、最後に水で口をすすぐ
デンタルフロスの使い方
- 約40cmのフロスをカットし、両手の指に巻きつける
- 指を使ってフロスをピンと張り、歯間にそっと入れる
- 歯の側面に沿わせながら上下に動かし、歯垢を取る
- 毎回キレイな部分を使いながら、すべての歯間を掃除する
どちらも力を入れすぎず、優しく動かすことがポイントです。無理に押し込むと歯茎を傷つける原因になります。
よくある間違いと注意点
フロスを使う際、以下のような間違いをしていませんか？
- 無理やり押し込む → 歯茎を傷つける原因になります
- 歯に引っかかるからと、すぐにやめる → 詰め物や歯並びによって引っかかることも。無理のない範囲で試してみましょう
- 歯垢をこすり取らず、ただ通すだけ → しっかりと歯の側面に沿わせることが大切です
フロスは「ただ通すだけ」ではなく、「歯の側面を掃除する」意識を持つことが大切です。
フロスを使うと歯茎から血が出る？その対処法
「フロスを使うと血が出るのでやめました」という患者さんも意外と多いです。でも、実は歯茎からの出血は、フロスを使うべきサインかもしれません。
- 健康な歯茎なら、フロスを使っても血が出ません
- 血が出るのは、歯茎が炎症を起こしている証拠
- 続けることで歯茎が健康になり、出血が減ることが多い
もし1週間以上続けても出血が止まらない場合は、歯科医院で相談してみましょう。
毎日の習慣にするコツ
フロスを習慣にするのは意外と難しいですよね。そこで、こんな工夫を試してみてはいかがでしょうか？
- 歯磨きの後にフロスを使うルールを作る
- 最初は週に3回から始めてみる
- 洗面所にフロスを目につく場所に置く
- フロスを使うたびにチェックリストをつける
最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すれば当たり前になります。フロスを使うことが「やらなきゃ」ではなく「やっておかないと気持ち悪い」くらいになればしめたものです。
フロスの使用をさぼるとどうなる？
「今日はフロスを使わなくてもいいかな…」そんな日が続くと、お口の中で意外な変化が起こるかもしれません。
1. 歯垢が溜まり、虫歯や歯周病のリスクが上がる
フロスを使わないと、歯と歯の間に歯垢（プラーク）が蓄積していきます。歯垢は細菌の塊なので、そのままにすると以下のような問題が発生します。
- 虫歯ができる → 歯垢に含まれる細菌が酸を出し、エナメル質を溶かしてしまう
- 歯周病が進行する → 細菌が歯茎に炎症を起こし、放置すると歯を支える骨まで溶かしてしまう
特に歯周病は初期段階では痛みがないため、気づいたときには進行していることが多いのです。
2. 口臭の原因になる
「フロスをさぼると口臭が強くなる」と聞くと、ちょっとドキッとしませんか？
- 歯間に詰まった食べかすが腐敗
- 細菌が増殖して悪臭を発生
- 歯周病が進行すると独特のニオイが出る
歯の表面は歯磨きでキレイにできても、歯と歯の間に細菌が残ると、イヤな口臭の原因になってしまいます。
3. 歯茎が弱くなり、出血しやすくなる
フロスをさぼると、歯茎の炎症（歯肉炎）が進行しやすくなります。すると、ちょっとした刺激で血が出やすくなり、「フロスを使うと毎回血が出る」という状態になってしまいます。
- 歯茎が腫れぼったくなる
- 歯茎から血が出やすくなる
- 進行すると歯周病になり、歯を失うリスクも…
「フロスをすると血が出るからやめた」という方もいますが、むしろ血が出るのはフロスを使うべきサイン。続けることで、歯茎の状態が改善され、出血しにくくなります。
4. 歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことも
意外かもしれませんが、歯間の汚れを放置すると歯並びが悪くなることもあります。
- 歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラする
- その結果、歯が少しずつ動いて歯並びが乱れる
- 噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節症のリスクも…
「歯周病＝歯を失う病気」とも言われるように、歯茎の健康を守ることは、将来的な歯並びや噛み合わせの維持にもつながるのです。
フロスを毎日使うのは大変…どうすればいい？
「フロスが大切なのはわかったけど、毎日続けるのは面倒…」そんな方に、無理なく続けるためのコツをご紹介します。
- 最初は週に3回からスタート
- お風呂に入りながらフロスをする
- テレビを見ながらフロスをする
- 毎晩、歯磨き後にフロスを使う習慣をつける
最初は大変に感じるかもしれませんが、習慣になれば意外と苦にならなくなります。「フロスをしないとスッキリしない！」と感じるようになれば、しめたものですね。
フロスをさぼることで、虫歯・歯周病・口臭・歯並びの乱れなど、さまざまなリスクが高まります。でも、正しく習慣化すれば、お口の健康を維持するのはそれほど難しくありません。
「毎日は無理…」という方も、まずは週に数回から始めてみることが大切です。フロス習慣を身につけて、健康な歯と歯茎を守りましょう！
まとめ
健康な歯を守るためにフロスを活用しよう！
フロスは歯磨きだけでは落としきれない歯垢を除去し、虫歯や歯周病を防ぐために重要なアイテムです。
- 糸ようじとデンタルフロス、それぞれの特性を理解し、自分に合ったものを選ぶ
- 正しい使い方を身につけることで、効果的に歯垢を除去できる
- 血が出る場合も、続けることで歯茎が健康になることが多い
- 習慣化の工夫を取り入れ、毎日のケアに取り入れる
「フロスって面倒くさい…」と思っていた方も、少しずつで大丈夫です。大切な歯を守るために、今日からフロス習慣を始めてみませんか？
