インプラント治療は、誰でもできるわけではなく、口腔内の環境や年齢や骨の状態、持病の有無などの条件があります。
インプラントは誰でもできる？
インプラントは誰でもできるわけではありません。インプラントは虫歯治療とは違って、手術が可能かどうかの条件があり、インプラントを希望していても出来ないケースもあります。その条件は主にお口の中の状態、全身疾患の有無、そして喫煙です。以下に詳しくご説明します。
インプラント治療ができる・できない場合の条件とは？
1. 重度の歯周病にかかっている場合
インプラントは、顎の骨に穴をあけて人工の歯の根を埋め込みます。そのためには、骨の状態はとても重要となってきます。歯周病は歯を支える骨を溶かす病気ですから、その感染が原因で多くの骨を溶かしてしまうと、インプラントを埋め込むことができなくなってしまいます。
さらに、口腔内感染があるところにインプラントを埋入しても、骨とインプラントがうまく結合しなくなることを防ぐためにも、重度の歯周病にかかっている場合はインプラント治療ができません。
2. 年齢について
インプラント治療には年齢制限があり、一般的には18～20歳以上とされています。顎の骨の成長が完了していることが条件で、治療後の形や歯並びに成長による影響が出るリスクを最小限にするためです。
高齢でのインプラント治療の場合は、年齢制限というものはありませんが、以下のようなことをクリアり、高齢の方はインプラント担当医と相談しながら慎重に治療を進める必要があります。
- 免疫力が低下している場合、インプラント体と骨が結合しにくいことや細菌感染のリスクが高まる
- 手術や通院が長期にわたるため、体力が必要
3. 骨の状態
インプラントを入れる周囲の骨の量が不足していると、安定性が低くなってしまうため、インプラント治療が難しくなります。骨量や骨密度を増やすための骨造成などの手術を行い、十分な状態になればインプラント治療は可能です。
4. 喫煙している場合
喫煙により歯周病のリスクが高まり、将来インプラントの周囲の組織が周囲炎になってインプラントが骨から抜け落ちるという事態を招く可能性があります。喫煙者は歯周病にかかりやすく、唾液の減少と口内細菌の増加によりリスクが高まります。
また、喫煙によって血管が収縮してインプラントが骨と結合しにくくなる場合があります。
5. 持病がある場合
糖尿病の持病がある人は、傷口の回復が遅く、さらに血糖値が高いと感染症のリスクも高まってしまいます。心臓病などの全身疾患の持病も同じようにリスクを高めます。
注意点
妊娠中の方は、リスクなども考えてタイミングをずらす必要があります。
インプラント治療を受ける医院の選び方
患者様への治療の説明が十分できているか、歯科用ＣＴなどの機材や設備が整っているか、術後のメンテナンス体制が整っているか、インプラント保証があるかどうかなど、とても大事なところとなります。インプラント治療において、信頼をおける歯科医院選びは、最も重要なポイントとなります。
インプラントの適応症に関するQ&A
インプラント治療は、口腔内の環境、年齢、骨の状態、持病の有無などの条件を満たす人に適応されます。
重度の歯周病は骨を溶かすため、骨とインプラントがうまく結合することを妨げ、インプラント治療を難しくします。
はい、一般的には18～20歳以上で、顎の骨の成長が完了していることが条件とされています。
高齢者は持病の有無や免疫力の低下、体力の問題、骨の状態などを考慮し、治療を進める必要があります。
喫煙は歯周病のリスクを高め、インプラントの結合を阻害するため、喫煙者には推奨されません。
まとめ
患者様の口腔内・顎の状態、健康面などによって、インプラント治療ができるかできないかが決まってしまいます。
インプラント治療を行うには、特に十分な骨の量や強度が必要となってきます。そのためには、CT撮影などの検査を行い、正確な診断をしてくれる医院を選んで頂き、安心安全な治療を受けていただきたいと思います。
