下顎の過成長によって重度の受け口になっている方の場合は、歯科矯正で歯を動かして治すよりもセットバック手術が適しています。骨格の形を変えられるため、お顔の輪郭がきれいになります。
受け口に向くセットバック手術の特徴
重度の受け口の方が歯科矯正のみで治療を行おうとしても、成人の場合は骨格の形を変えることは殆ど出来ません。矯正装置での治療では、歯を内側に引っ張って引っ込めるのですが、歯に強度の負担がかかり、歯列の後戻りを起こすリスクが高くなります。
重度ではない方でも「矯正より早く受け口を治したい方」「矯正装置での治りが悪い方」にもセットバック手術は向いています。セットバック手術は顎を後退させるため、受け口や出っ歯などの前突している骨格を引っ込めることが出来るからです。
セットバック手術では4番の歯を抜歯し、4番の部分の骨も切除して前歯6本とその骨をまるごと後退させ、チタンプレートで固定します。ルフォーと違い、セットバック手術は入院の必要がなく、手術も短時間で終わります。また、手術の際は奥歯のかみ合わせを触りませんので、手術当日も柔らかい物なら食事が可能です。
セットバック手術は全身麻酔が必要な外科矯正です。服薬や持病がある方は、予めかかりつけ医に相談し、許可をもらいましょう。
▼下顎セットバック手術についての詳しい解説はこちらでしています
セットバック手術で受け口がどう変わるか
患者様ご自身が術後どのように下あごのイメージが変わるか、当院では担当医が症例写真をもとに丁寧に説明いたします。
術後については、腫れやむくみに個人差はありますが、ダウンタイムが終わると下あごの変化が実感できると思います。下あごのコンプレックスが解消すると、患者様ご自身の気持ちが前向きになれます。セットバック手術により歯の間に隙間が発生することはありますが、どうしても気になる場合、セラミック矯正や歯科矯正を検討してください。
受け口以外に過蓋咬合(噛み合わせが深い)などのお悩みがある場合も当院では、セットバック手術の際に患者様の口元を改善することが可能です。
受け口とは
受け口は下顎前突、反対咬合とも言います。通常の歯列は、上の前歯が下の前歯よりも少しだけ前に出ています。ところが受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。
それにより、前歯の役目である食べ物をかみ切ることが難しいという咀嚼の問題、発音がしにくいという発声の問題が起こります。機能面の問題以外にも、外見的な特徴として下のあごが前に出ていて目立つことで、コンプレックスを生じやすいです。
受け口の程度により、治療法が異なります。軽度や中程度の場合、歯科矯正で治療が可能です。ただし、骨格の出具合が顕著な重度の受け口のケースでは、歯を動かすための矯正装置のみで治すことは難しく、あごの骨格自体にアプローチするセットバック手術を行うべきケースが多いです。
【動画】口ゴボを骨ごと治す外科矯正
セットバック手術での受け口治療に関するQ&A
受け口の治療方法は、軽度や中程度の場合には歯科矯正が選択されます。重度の受け口の場合にはセットバック手術が必要とされます。
セットバック手術は、受け口や出っ歯などの前突している骨格を後退させるための手術です。手術では4番の歯を抜歯し、前歯6本とその骨をまるごと後退させ、チタンプレートで固定します。
はい、過蓋咬合など他の問題も含めて、セットバック手術によって口元の改善が可能です。そのため、セットバック手術は複数の口元の悩みを解消する手段として有効です。
まとめ
重度の受け口ならば、輪郭整形(セットバック手術)で顎にアプローチするのが効果的です。ご自身の下あごがどれほど出ているかどうか、また、重度かどうかの判断は難しいと思います。一度カウンセリングに行き、ドクターへご相談ください。